小さな子どもは、言葉の意味のない羅列や単純な音の繰り返しがとても好きです。
だから、童話にはそのようなものが多くみられます。
「こん こん こな雪」や「ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン」など。
これは、幼い頃は文字を読めないので、言葉は「音」として耳から入ってくるのみということからきているのだと思います。
その後、ひらがな、カタカナが読めるようになっても、それらは「表音文字」なので、まだ「音」中心の言語把握が続きます。
しかし「音」だけでは、日本語においては単語の表面だけです。
これだけでは、一万個も超えるという日本語の大量データを脳の中に順序立てて収めることはできません。
日本語における漢字表記はここから威力を発揮するのです。
漢字は、字そのものに意味を持つ「表意文字」です。
例えば、「水素」をよく知らなくても、「水」に関係がある、しかも「素(もと)」と訓読みできれば「水の核心」なのかな、までわかってしまうのです。
ちなみに、「水素」は英語で“hydrogen”ですが、このアルファベットのつづり字だけでは、”water”は連想できません。
日本語は、かな(表音文字)と漢字(表意文字)を組み合わせて使うというレベルの高いものです。
日本語翻訳のソフトがなかなか実現できていない(翻訳させても不自然な文章になるなど)のもそのためです。
漢字テストがあるからという意識だけでやっているのはもったいないです。
新しい漢字、そしてそれを使う二字熟語を意味と一緒にどんどん蓄えていく。
そして、それを使って考え、文章に直していく。
そう考えていくと、蓄えた言葉の数が多くなればなるほど、考えたり、書いたりするときの「道具」がたくさんあるということがわかるでしょう。
例えば、「じょうじょう」という音を聞いて、どのくらいの意味のある言葉が思い浮かびますか?
気分は上々!
教えは上乗に価する
情状を考慮する
笑いは人間の常情だ
株を上場した など。
最後の例の「上場」の「場」は「市場」の「場」のことですが、「市場」は(いちば)と(しじょう)と読み分けている。
では、「市場」と読むとその内容は?
と、ここまで単語の意味を把握しておくと、考える時や文を書く時の「道具」として使えます。
明日小テストがあるから、ではなく、考える「道具」を増やすんだという高い意識を持って漢字の勉強をすると、「めんどくさーい!」という気持ちはなくなるのではないでしょうか?
子どもの学びについて真剣に考える親御さん限定の説明会です。次回開催は10月です。